Archive für September 2009

ダンサー・オブ・ザ・イヤー/ Tänzerin des Jahres

ballettanzというヨーロッパのダンス雑誌の年間号で、批評家のアーント・ヴェーゼマン氏が 、アキさんとの”ピアノの中の街”の私を今年の”ダンサー・オブ・ザ・イヤー”に選んで下さいました!彼のアステアを引き合いに出したコメントがとても嬉しかったので、こちらに訳を掲載させて頂きます。

”川口ゆいはベルリンのDock11で行われた”ピアノの中の街-フォルテ”にて、大物ジャズピアニスト高瀬アキのグランドピアノから弦を引き裂き、フレッド・アステアも真っ青の、羽根の様に軽やかなユーモアに満ちたダンスを繰り広げた。” ballettanz - アーント・ヴェーゼマン

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Im Jahrbuch der “ballettanz” - Magazin, hat der Tanzkritiker Arnd Wesemann mich als “Tänzerin des Jahres” ausgewählt.

“Tänzerin des Jahres: Yui Kawaguchi reißt in “Die Stadt im Klavier - forte” am Berliner Dock11 der großen Jazzpianistin Aki Takase Saiten aus dem Flügel und entspinnt einen so federleichten Tanzhumor, dass Fred Astaire erblasst” - Arnd Wesemann (ballet-tanz)

未来の大人達とかつての子供達

”メタモルフォーゼ”、公演終了しました。
色々細かな改善点はあるものの、大成功、と珍しく自分で言ってしまいたいです。

今年1月のまだ木々も凍り付いているベルリンで、初めまして、をした11人の子供達。10歳前後といえば、こちらではもう子供から思春期へと差し掛かる頃。プロジェクトのテーマはまさにその”変化”。そのテーマに沿って、ダンスのワークショップに平行して、コスチュームデザイナーのマリアムによるペイントや工作、ドラマツルギストのカーチャによる朗読や作文、庭師のルトカーによるガーデニングのワークショップが半年間かけて行われました。そしてそこから生まれた要素は作品で舞台美術や、テキスト、映像、振付の中に咀嚼されて生かされました。

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ドイツで子供時代を過ごしていない私は当初、文化も学校のシステムも教育方法も全く違う中にいる子供達相手に、きちんとコミュニケーションがとれるだろうか、と正直とても不安でした。自分の過ごしてきた子供時代と照らし合わす事ができない上に、母国語でコミュニケーションができないハンディは大きいです。そしてその不安は的中し、ワークショップの初めの頃は本当に大変でした、、、みんな自己主張が強いが怠け者、ストレッチやトレーニングは疲れるから嫌だけど、ダサくはいたくない。一方で、自分たちで何かを考えるのが大好きで、アイデアは泉のように湧いてくる、だけどまとまりがない。モンスターチルドレン(笑) 日本のダンスをやっている子供達とのあまりの差に呆然として、このプロジェクトのためにいくつもの仕事を断ったことを後悔したことも。

だけどそのうち、他のワークショップ(絵やテキスト)も重ねて行くうちにそれぞれの個性が見えて来て、私の中にだんだんと作品の方向性が浮かび、それに従って、通常のダンスレッスンやリハーサルスタイルを完全に手放しました(笑)私の目的は彼女らとの作品づくりで、いいカンパニーに入れる為のバレエやモダンダンスのテクニックを彼女達に教えるのが仕事ではなく、そこを飛び出した何かをやらねば意味がないと気づいた訳です。そして彼女らを野放しにしつつ、可能性をみつけてはそれに飛びついて振付やネタのフラグメントを作っていったり、膨大なインプロビゼーションから手応えのある瞬間を取り出してシーンにしていったり。だいたいが一人や二人相手、その最中それに関わっていない子達は遊び放題(笑)子供それぞれにインタビューも沢山行い、そこから発展したシーンも沢山あります。

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驚いたのは彼女達が調子づいている時の即興性、発想の奇抜さ、絶妙なコピー能力です。彼女らは素直で、小賢しく、繊細で、残酷で、詩的で、ひょうきんで、大胆で、ナイーブで、その変化はめまぐるしくて掴み所がなく、私自身アリスワンダーランドに迷い込んだような感覚でした。そして、ああ、これが幽玄て言われるものなのかもしれない、と思いました。変化の過程にあって、つかみ所がなく半透明に漂う儚さと美しさ、それは人間という生き物がもつ狂気のパワーを予感させるし、どんどんこれから広がっていくエネルギーの温かくかつ暴力的な勢いを感じさせる。自分にも、色と質は違えど確かにこんな時間があった、と思いました。そしてその時間は、大人達によって時に守られ、ときに虐げられ、依存と反発、安心感と息苦しさの狭間にいた。

そんな未来の大人達の公演を観に来たかつての子供達は、作品に笑い、涙し、喝采と感謝を私達におくってくれました。中には遠方から観に来て、わざわざ私に感謝のメールをくれたおばあちゃんも。やはり踊りが私のコミュニケーション手段だ、と再び実感。

一回目と二回目の公演の間に、ありあまるパワーを持て余して私にDJを頼んで来てずっと踊り狂ってた子供達。これからの人生、何があっても、何になっても、自分で踊る力と喜びを手放さないで生き抜いて行って欲しい。

メタモルフォーゼ

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今週はヘレナのリハと子供達のリハの掛け持ちで、ふらふらです〜。いよいよ今週末、子供達の作品が上演されます。半年の間に成長したんだか、してないんだか(笑)彼女達の弾けるパワーをお客さんに楽しんで頂ければ何よりです。

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