Archive für Oktober 2007

雨の劇場

昨晩はベネツィアで共演したミケーラが出演する”Disco Pigs”の公演をベルリンのVolks Bühneに観に行きました。とても雰囲気があって好きな劇場です。作品はダンスというよりは芝居に近く、イタリア語でしゃべり倒すので、字幕とステージを交互に観るので結構必死。

そして作品半ば、主人公の豚のカップルがディスコで踊り狂ったあと帰途につくシーンで、スモークがもうもうと焚かれ、ベルがなりだし、カスミのかかった舞台からは雨の音が聞こえて来ました。なんだかちょっと宮崎駿の映画みたいだな、と思って観ていたら、雨はますます降り続け、ベルも台詞の音をかき消すようになり続け、「なんか変?」 と思い始めた矢先に、突然主役を演じてた演出家が「Sorry, we have to stop!」と言って、立ち止まりました。お客も芝居の続きなのかと計りかねているなか、舞台セットが跳ね上がり、ステージにはスタッフがでてきて片付け始め、客電が着きました。私のとなりで観ていたカンパニーメンバーのマウリに「これ演出?」と訪ねると本人は真っ青。「ちがう、、、ありえない!スモークを焚くからスプリンクラーを消せと言ってあったのに!!」と硬直してる。なんとスモークのせいでステージのスプリンクラーが作動してしまい、本気で雨が降ってしまったのです!

やがてステージ前に劇場スタッフの女性が現れ、「すみません、非常警報装置が作動してしまいました。一度作動すると消すのは難しく、ショーの続行は困難なため、残念ながら中止せざるを得ません。皆様にはホワイエで待機して頂いて、追って状況を報告致します。大変申し訳ありませんが、これも都会の劇場のテクニカルジレンマです〜」と言ってショーは中断。お客はびっくりしながらもあり得ないアクシデントに半分はしゃぎ気味で写真を撮ったりし始め、ただ酒も振る舞われて結構上機嫌に(笑)

バックステージにいくと、そこは大パニック…。劇場スタッフがずぶぬれで駆けずり回り、消防隊員も現れて、ステージは奈落まで完全に水浸し。 ミケーラを始めとする出演者達もショックで茫然。そこにまたさっきアナウンスをした女性が現れて、「みなさぁん、とりあえずもう公演はできないんですけどぉ、お客様が上でお待ちなので、普段着に着替えて、中断された作品の続きをお客様に口頭でお話して下さ〜い」とドイツ語で説明するんだけど、演出家を始めとする出演者はみんなイタリア人で、ドイツ語は1mmもわからない。ので、なぜか私が英語でみんなに通訳し、みんな着替えてホワイエに行き、お客さんの温かい拍手の中、アフタートークならぬ、トークショーとなりました。

非日常空間の劇場の中での、現実的なアクシデント。出演者には本当に気の毒なのですが、劇場丸ごと水浸しのあの強烈な光景は、まるで夢から醒めた夢のようで貴重な体験でした(笑)

現実は舞台より奇なり…!

here - hear …over

おかげさまで無事4日間の公演を終える事ができました。
観に来て下さったベルリンにお住まいの皆様、どうもありがとうございました!
今回はいつも以上に様々な要素が絡み合っての作品構成だったので、常に頭のなかで絡んだ糸をほぐし続けているような感覚の日々でしたが、とても楽しく、興味深いクリエイションでした。

この作品は実際にお客様が舞台に寝た時点で、ようやく作品として成立するので本番までどきどきでしたが、間近に触れるお客さんの生のリアクションと視線に囲まれる中で、まるで私たちパフォーマーがお客さんの思考の中を旅しているような気持ちになったり、自分の踊っている空間を遠くからみているような感覚になったり、私自身にも不思議な体験となりました。

私の中ではようやく骨組みを組み立てた段階なので、さらに再演を重ねてどんどん深く果てしない世界を旅して行きたいです!

本番の写真などはこちらに (すみません、まだドイツ語のみです)

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here - hear

もう10月になり、ベルリンは灰色の空の秋です。
今は来週に迫った新作”here - hear“のリハーサル真っ最中。
お客さんと悪夢&白昼夢を共有しようという試みのこの作品、お客さんを寝袋に寝かせてラジオのイヤホンから音を聴かせる所からスタートします。

メンバーも今回はいわゆるダンシングダンサーズではなく、役者というかパフォーマー。とても肝の座った面白いメンツです。お客さんと集団避難生活状態でのパフォーマンスは私にとっては大きな挑戦。どうなることやらとても楽しみですが、寝不足の日々はまだしばらく続きそうです…。
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